腸内環境を知るためには便をみろ

 便の7割以上が水分でできています.残りの1~2割が腸内細菌,1割強が食べ物の残りカスになります.食べ物の残りカスより腸内細菌が多いのです.そのため便は腸内環境を反映しており,腸内環境が整っているかどうかは便をみれば判断することができます.

 今回は便について紹介します.

脳腸相関

 腸は脳と神経でつながり自律神経の支配を受けて敏感に反応します.心配ごとや悲しいことがあったり,大事な試験の前に神経性の下痢や便秘をしやすくなるのもそれが影響しています.

 腸には脳と同じ神経が分布し「脳腸相関」と呼ばれる,密接なネットワークが結ばれています.腸と脳は自律神経でつながり,いつも情報をやりとりしています.

 脳が不安,あせり,プレッシャーなどのストレスを感じると,自律神経を介してそれが瞬時に腸に伝わり,便秘や腹痛,下痢を引き起こします.

 例えば,仕事のし過ぎでストレスが溜まっている場合交感神経が過緊張となり,腸内の蠕動運動が抑制されることで便秘が生じやすくなります.

 便秘は,アンモニアやインドール,スカトールなど有害物質が腸内に長時間滞在することで,悪玉菌の繁殖が起こり腸内の環境が悪化します.腸管から吸収され全身を駆け巡り肌荒れや風邪をひきやすくしたりします.

 このようにストレスは自律神経を乱し腸内の環境を変化させてしまいます.腸内環境はストレスだけでなく低体温,栄養状態,食品添加物の過剰摂取など影響し,この腸内環境の状態を観察するために便の状態を把握する必要があるのです.

便を知ろう

 自身の腸内環境を知るには,便を観察することが一番.排便をしたらすぐに流さず便の量や色,においなどを確認し腸内環境の変化を常に確認する必要があります.

 理想的な便は食物繊維の摂取量が多く,太くてバナナ状のものです.また表面がなめらかで柔らかくとぐろを巻くような便も理想的です.

 ころころうんちは悪玉菌が多く,水分や食物繊維が足りていない状態です.逆にどろどろうんちは過敏性腸症候群の人に多くストレスが原因であることが多いです.細長いひょろひょろうんちは高カロリー,高脂肪の食事が多い人になりやすいです.

 色に関しては黄金色で,においはきつくなくふんわりと匂う程度良いです.腸内で腐敗が進んでいると悪臭になるため匂いも確認する必要があります.

 理想的な量は200g~300gであり,量が少ない場合は食物繊維が足りていません,またうんちの量が少ないのは,食の欧米化に伴い食品添加物が多く含まれた食事が増え,野菜の摂取量が減り,食物繊維や発酵食品などが不足しているのが原因です.またストレスや低体温も影響しています.

 排便は毎日,同じ時間の3分以内に排便できることが理想的です.

理想的な便を出すためには

 現代人の不足している栄養はビタミン,ミネラル,食物繊維,発酵食品です.これらを意識的に摂取することで腸内環境が整い良い便が出ます.その不足している栄養を摂取するには「まごはやさしいこ」を意識した食生活を心がけると良いです.

ま・・・豆などの大豆.豆腐や納豆などが該当し食物性の蛋白が含まれており腸内環境を良くします.

ご・・・ゴマなどの木の実.例えばミックスナッツなどは食物繊維,ビタミン,ミネラルが豊富あります,食物繊維は有害物質を対外に排泄してくれるため腸内環境を良くします.

わ・・・わかめなどの海藻類,水溶性の食物繊維が豊富に含まれています.またビタミン,ミネラルも豊富にあり腸内環境を良くします.

や・・・野菜.抗酸化作用の高いファイトケミカルや酵素が活性酸素を取り除いてくれるため腸内環境を良くします.

さ・・・魚.動物性の蛋白ですが,肉よりも腸内環境には良いです.特に青魚は血液をさらさらにしてくれたり,がん予防にも効果があります.

し・・・しいたけなどのキノコ類.豊富なたんぱく質,ビタミン,ミネラル,食物繊維も豊富にあります.また抗酸化作用もあります.

い・・・食物繊維が豊富にあるので腸内環境を良くします.

こ・・・発酵食品.納豆,チーズ,キムチが該当し酵素を取る,生きた善玉菌を摂取すること善玉菌の餌となりプロバイオティクスの考えで腸内環境を良くします.

「まごわやさしいこ」を意識した食生活を心がけ腸内環境を良くし素敵な便を出してください.

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