姿勢がぐらぐらして安定していないなー.
肩のインナーが効いていなくて不安定だなー.
そんな安定性を高めたい時に使用するPNFをご紹介します.
アプロキシメーション(圧縮)
PNFの手技にアプロキシメーション(圧縮)という手技があります.
この手技は簡単にいうと四肢や体幹に圧縮を加えて,安定性を高めるというものです.
普段圧縮というのを感じていないかもしれませんが,日常生活で常に人体に対して加わっている
ものです.
人は地球上に存在する限り重力というものを受けています.人は重力下で生活していくためには
常に筋活動が行われ姿勢を保持します.
重力というのは,永続的な圧縮力とも言い換えることができ,人は圧縮が加わった際には生理学的
刺激となって姿勢反応を起こします.圧縮が加わった際には,動筋,拮抗筋が同時収縮をして安定性
を高めます.
例えば,重力よりも強い圧縮力が加わった際にはその分姿勢を保持するためには筋活動が必要です.
身体に圧縮力を加えて,姿勢を保持させることで筋活動を促して安定性を高めていくのが
アプロキシメーションという手技です.
臨床応用
具体的な方法をご紹介します.
例えば,体幹に安定性を高めたい場合に...
上記の写真のように肩関節より垂直に圧縮を加えます.こうすることで重力以上の圧縮力
が加わるため,その分姿勢保持するために,腹部と背部を同時収縮させ
安定性を高めます.
ここでの注意点は,姿勢が崩れていないことです.
例えば,体幹が屈曲した状態で圧縮を加えると動筋,拮抗筋の活動バランスが崩れてしまいます.
また靭帯性で制御しやすく,筋活動が不十分となりやすいことやメカニカルストレスが
加わりやすくかえって疼痛を誘発する場合があるため姿勢には注意が必要です.
安定性を高めるのは体幹だけでなく,肩関節でも安定性を高めたい時は,,,
四つ這い位で上方から圧縮を加えることで肩周りの安定性を高めます.
四つ這い位だけでなく,上記写真の状態でも赤矢印の方向に圧縮を加えることで姿勢を保持
するために肩回りあるいは側腹部の筋活動を促し安定性を高めることができます.
圧縮を加えるポイントは
1.どの部位に安定性を出したいか.
2.姿勢が正しいか.
3.適切な方向に圧縮を加えられているか.
4.適切な量を加えられているか.
です.例えば,圧縮の加える方向が間違っていると動筋,拮抗筋の筋活動のバランスが崩れ
安定性が得られにくくなります.また,圧縮を加える量が強すぎてもアウター筋の過活動や代償
動作が出やすく姿勢が崩れてしまいます.難しいですが,姿勢が崩れずに安定性が高まっている
ことを感じることが大切です.
安定性が高まっているかは,クライアントを介して,セラピストの手に感じられます.
感じ方はどの部位の筋活動が高まっているかまでわかりますので一度試してみてください.
また,ほかの記事にPNFの手技を紹介しているので参考にしてみてください.