肝臓が悪くなるのは飲酒だけと考えていませんか?最近では過度な食事,食品添加物,過剰な薬など肝臓に負担がかかっています.また肝臓の不調は体の冷えにも直結します.「冷えは万病のもと」ともあるように健康を保つためには肝臓を良くすることが必要不可欠です.本日は肝臓について解説していきます.
肝臓の効果
食品に含まれる栄養素はそのまま体内のエネルギーにすることはできません.腸で吸収された栄養素は肝臓にある肝細胞の酵素によって化学反応が起こり体内で使いやすいように作り変えられます.そのことを「代謝」と呼ぶのですが,肝臓は3大栄養素である糖質,脂質,たんぱく質以外にも様々な物質の代謝を行います.
糖代謝:
糖質は小腸で吸収されると血液中にグルコースとして血液を通り肝臓でグリコーゲンどして蓄えられます.必要に応じて肝臓で蓄えたグリコーゲンを再度グルコースとして血液中に放出して必要な器官に届けます.
脂質代謝:
脂質は肝臓で中性脂肪,コレステロール,リン脂質に変えられ血液中に流され,細胞膜を作ったりホルモンの材料として利用されたりします.
たんぱく質代謝:
アミノ酸は肝臓でフィブリノゲン,アルブミン,グロブリンなど人の身体にあったたんぱく質に作り変えます.フィブリノゲンは血液凝固作用,グロブリンは免疫機能に関わります.またアルブミンは血管から水分が漏れ出るのを防ぐ作用があるため,肝機能が低下された場合手足に浮腫が出現したり,腹水がみられたりします.
解毒作用:
例えば,アルコールで考えていくと,アルコール摂取した際に肝臓でアセドアルデヒドに分解されます.アセドアルデヒドは毒性があり,さらに肝臓の解毒作用が働いてアルデヒド脱水酵素が働き酢酸に分解されます.二日酔いなどはこの解毒作用が追い付いていない状態です.
胆汁の分泌:
脂質は胆汁によって消化,吸収をしやすくするのですが,この胆汁の生成は肝臓で行われます.小腸に食べ物がない時に胆汁を生成し胆嚢に蓄えられます.小腸に食べ物が入ってきた際に胆嚢にある胆汁を放出して消化,吸収を手助けするという働きがあります.
他にも肝臓にはクッパ―細胞があり,これは白血球やNK細胞で体内に侵入してきた細菌やウイルスを除去するのですが,それも掻い潜ってきた細菌をクッパ―細胞が食べて体内を病気から守ってくれます.こうした様々な機能が肝臓にはあり,常に働いています.
私たちは肝臓を休めることも考えてあげる必要があります.大量の飲酒,ドカ食いや夜食をとるなど肝臓に負担をかけていませんか.たまには3食食べないで朝食を抜いて16時間食事の摂取を控えるプチ断食も考えてみてはいかがでしょうか.
肝臓は血液の質を高める
血液はどろどろよりさらさらのほうが良いことは皆さんもご存じかと思いますが,さらに健康に良いのは肝臓による血液の質を高めることです.
前述でもお伝えしましたが,肝臓には解毒作用があります.現代では農薬の使用や食品添加物など身体に害のあるもので溢れています.そうした有害物質が血液中に存在した場合各細胞に届けられ健康を害してしまいます.肝臓の機能を高め有害物質を排除し血液の質を高めることは血液をさらさらにする以上に大切となります.
また肝臓は内臓のなかで一番温度が高い臓器であるのをご存じでしょうか.
血液というのは,温かいとさらさら流れ,冷たいとどろどろと血液が流れにくいという性質があります.
肝臓で温められた血液は全身に巡り血液の流れを良くします.また血液さらさらにするヘパリンという物質も肝臓で作られるためヘパリンの作用でより血流が良くなります.
しかし肝臓の機能が低下していると肝臓自体も冷たく,血液も冷え,ヘパリンも作られず血液の流れを悪くしてしまいます.
肝臓マッサージをしよう
肝臓の機能を高める必要性はお分かりになったかと思います.上述した肝臓に負担のかかる食品添加物,過度なアルコール摂取,過度な食事を避けることも一つですし,無農薬の野菜,プチ断食することも良いかと思います.
もう一つの方法が肝臓をマッサージすることです.
内臓を触れるの?と疑問に思う人も多いかと思いますが,皮膚や筋肉を介して触ることは可能です.肝臓をマッサージすることで肝臓が温まり機能を高めてくれます.逆に肝臓を何年も触っていると肝臓の機能が悪い人は冷たく硬く感じることもできます.
肝臓の機能を高めるためには内臓体制反射を利用します.これは内臓の疲労が強いとその周りの筋肉が反射的に収縮して硬くなることをいいます.逆をいえば硬くなっている周りの筋肉を緩め且つ筋肉を介して肝臓をほぐすことで肝臓への血流が改善され肝臓が温まり肝機能が高まるのです.
では肝臓はどこに位置しているのでしょうか.肝臓は右半身の肋骨下部の下に位置しています.
さらに下には横隔膜があり肝臓と連結しており相互に関係しあっています.肝臓が硬くなった場合横隔膜の動きも悪くなり腹式呼吸ができことで肩で呼吸している人も多くいます.肩で呼吸しているため首や肩周りの筋肉が凝ったりと不調を訴えるのですが,肩をマッサージしても根本の肝臓を良くしないとなかなか良くなります.
肝臓の位置が分かったら実際にマッサージするのですが,痛いと思うところまで擦るのは肝臓の機能が悪くなります.あくまでソフトに前後左右,あるいは円を描くようにゆっくりとマッサージすることが大切です.
私たちの手は毛細血管が豊富にありマッサージをしていると手に血液が流れぽかぽか温かくなります.その温かい手で肋骨下部の下にある肝臓を触れるだけでも肝臓が温まり促進されます.
毎日実施するとかえって肝臓には負担となるため2,3日に一度程度で良いかと思います.
まとめ
肝臓マッサージで肝臓を温め機能を高めることで血液の流れや質が改善され全身に最高の栄養を届けてくれます.肝臓は肝心要な臓器です.是非肝臓に着目してみてください.