糖質って何?~食事から糖尿病を考える~

 治療してもなかな良くならない.あるいはその場ではよくても次の日には元に戻ってしまうことはよくありませんか.セラピストは運動だけでなく,栄養,睡眠など身体に影響することはすべて考える必要があります.

今回は栄養のなかの糖質についてご紹介します.

糖質とは

 栄養素には炭水化物(糖質),タンパク質,脂質,ビタミン,ミネラルがあります.そのうち炭水化物(糖質),タンパク質,脂質は3大栄養素と呼ばれ体内の主要なエネルギー源として利用されます.

 糖質はエネルギー源として重要であり,通常優先してブドウ糖をエネルギー源として,脳,神経組織,赤血球などにブドウ糖を供給します.1グラム当たり4kcalのエネルギーを産出します.

 糖質は,脳,神経細胞の主要なエネルギー源となります.不足した状態では思考力の低下や,タンパク質がエネルギー源として使用されてしまい,タンパク質を身体構成に使用できなくなってしまい筋肉をつけることが難しくなってしまいます.そのため糖質をしっかり摂取することが大切です.

 逆に過剰摂取した場合は,エネルギーとして利用せずグリコーゲンとして合成され肝臓,筋肉に貯蔵されたり,中性脂肪となって貯蔵されます.そのため糖質の取りすぎは肥満や脂肪肝の原因となります.

 多く含む食品は穀類,イモ類,果物,砂糖などがあります.

食事から糖尿病を考える

 糖質には分子量の大きさから単糖類,少糖類,多糖類の3つに分類されます.最小単位を単糖類と呼び,ブドウ糖,果糖が該当します.また単糖類が2~10個を少糖類と呼びショ糖,オリゴ糖などが該当します.単糖類が10個以上のもの多糖類と呼びでんぷん,グリコーゲンが該当します.

 分子量が少ない少糖類のほうが吸収率が速く,逆に多糖類では分解するのに時間を要すため吸収率が遅くなります.すなわち少糖類が多いケーキなどは吸収率が速くその分血糖が急上昇しやすくなります.糖尿病は血糖値が急速に上昇することで発症するリスクが高くなると言われています.

 一日のエネルギーのうち50~65%は糖質から摂取することが望ましいとされていますが,ケーキなどから摂取するのではなくご飯などの吸収率の緩やかな多糖類を利用して血糖値の急上昇を抑えることが大切です.

 食物繊維を摂取することも大切です.食物繊維は糖の吸収を緩やかにし食後高血糖を防ぎます.特に穀物由来の食物繊維(玄米,麦ごはん)は糖尿病予防に効果があるとされています.

 また,ビタミンB1は糖質の代謝に関与するため摂取を心がける必要があります.ビタミンB1は豚肉,うなぎ,玄米,大豆,そばなどがあります.

 早食いをしないことも大切です.早食いをすると食後血糖値が急激に上昇し膵臓に負担がかかるためゆっくりと摂取することを心がける必要があります.

 また規則正しく3食摂取することもインシュリン分泌の乱れを防ぐことができます.

まとめ

 正しい食習慣を身に付けるとともに過食や偏食を避け,規則正しく食事をとることで血糖値の急激な上昇を制御し糖尿病を予防することができます.

 セラピストは栄養面も考慮して不明な点は,栄養士,主治医,看護師などチームで話し合うことが必要です.ぜひ参考にしてみてください.

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