筋の硬さは柔軟性に影響するだけじゃない!?筋硬化が美容,老化にも影響する理由

 美容を考えるとき,良い化粧水や保湿クリームを利用したり,食事内容,あるいは睡眠の質を気にされる方は多いですよね.勿論どれも必要かと思いますが,筋の硬さ(筋硬化)を考える人はほとんどいないのではないでしょうか.これを知るだけであなたは他の人より一歩リードすることができます.それでは筋硬化が与える美容,老化の影響について解説していきます.

筋硬化とは

 筋硬化とは,字のごとく筋が硬くなることです.筋が何らかの原因で持続的に収縮した場合に起こりやすく,筋が過剰に収縮した場合筋の長径は短くなるのに対して筋の横径は力こぶのように太くなります.その状態が長期に渡り経過していくと筋硬化が起こり,筋が長い時間過収縮により短くなるため筋の柔軟性が失われ痛みを伴ってきます.

 筋硬化により筋が短くそして太くなる状態が続くとどうなるでしょうか.筋の隣接には無数の血管が通っており,その周囲の血管は圧迫され狭窄し循環障害を招きます.そうです.筋硬化が起こると血液の流れが悪くなるのです.筋硬化が長期化した場合,徐々に筋が硬く短縮していき且つ,短縮した筋の起始,停止は近づくため筋出力が発揮しにくくなり筋の横径も徐々に細くなり筋委縮を起こしてしまいます.

 筋委縮すると筋の横径が細くなるため血管の通りは改善されると思うかもしれませんが,それは違います.筋委縮が起きた場合脊柱や膝が曲がったりと姿勢が徐々に変化していくため,その分血管の通り道も曲がりくねって狭窄されるため循環障害がより起こりやすくなるのです.高齢者で膝,足部が変形している方で足が冷え性なのも,下肢の変形が一因しています.つまり筋硬化は筋委縮を招き血液の流れを悪くするのです.

 ここまでは美容や老化に特に影響していないと思うかもしれません.しかしこの循環障害が美容,老化に大きく関わってくるのです.

循環障害がもたらす美容と老化の影響

 筋硬化が起こると循環障害が生じることが分かったと思います.筋肉は体重の60%あるといわれており,筋硬化による循環障害はあちこちで起こる可能性を秘めているのです.

 昔,子供の頃よく腕に縄を縛ったりして遊んだことはないでしょうか.腕に縄を縛った際に末梢が冷えるのを体験した方も多いのではないでしょうか.それと一緒で血液を遮って流れを悪くした場合冷えが生じるのですが.それがあちこちで起こった場合人は体温が下がってきます.この体温が下がることが美容,老化に影響してくるのです.

 ではなぜ,体温が下がると美容や老化に影響するのでしょうか.

 その一つは細胞に栄養が枯渇することが挙げられます.血液には栄養や酸素を細胞に届ける作用があります.その血管の通り道が塞がってしまうと60兆個あるといわれている細胞一つ一つにエネルギーが供給されないため細胞自体に元気がなくなってしまいます.また,血液は細胞でいらなくなった老廃物を排出する作用もあるため,使い古された細胞がいつまでも残ってしまうのです.そのため代謝が悪くなり皮膚だけでなく,筋にもハリがなくなってしまいます.

 もう一つは酵素の不活性化が挙げられます.酵素というのは,食べた食べ物を消化し栄養素に分解,エネルギーとして産生するとき,あるいは老廃物として排出するときに欠かせない存在です.

つまり酵素は人間が生命維持に不可欠であり,酵素が不活性であると食べ物を栄養素として分解することもエネルギーとしても産生することもできずに細胞自体が不活性となってしまいます.

 その大切な酵素が活性化するのが,体温が37℃台のときです.体温が高ければ高いほど酵素の働きが良くなるのですが,逆に体温が低いとその酵素が不活性となります.

 つまり血流障害が起こり体温が下がると一つ一つの細胞に対して栄養が枯渇すること,酵素の不活性化が代謝が悪くなり皮膚,筋肉などさまざまな細胞に潤いがなくなってくるのです.

筋硬化の改善について

 ここまでで筋硬化を改善し血液の流れを良くする必要があるとわかったと思います.では実際の方法ですが,筋硬化とは筋が過剰に働いた結果硬くなってしまっているのです.そのため筋を緩める作用が必要となってきます.

 筋を緩めることができるのであれば,方法はなんでも大丈夫です.筋硬化部位を直接マッサージすることでも,筋が過剰収縮している部位に対してストレッチ加えることも筋を緩めることに繋がります.また温熱を用いて体温を高めることも筋が緩みかつ血流が促進されるため非常に良い方法です.

 しかしどのやり方も根本の原因を改善させない限り筋硬化は再発します.マッサージをしても,しばらくするとまた硬くなってしまうのは本当の原因に対して対処していないからです.

 では根本の原因とはなんでしょうか.その多くは姿勢にあります.スポーツや交通事故による外傷で一過的に過緊張になった場合などは別ですが,慢性的に肩こりや腰が痛い場合などの多くは姿勢が影響しています.

 筋硬化を改善させるためには姿勢を改善させる.姿勢を改善すると筋を過剰に収縮することがなくなることで筋硬化部位がなくなります.筋硬化が消失すると血液の流れが良くなり細胞一つ一つの栄養が行き渡り美容,老化が改善されていきます.また姿勢を改善させることで細胞だけでなく見た目も若々しくみえるため効果は絶大です.

 姿勢の評価に関して,詳しくはこちらをご参照ください.美容,老化を考える上で筋硬化も考えてみてはいかがでしょうか.是非参考にしてみてください.

 

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