筋の出力向上,協調性向上のためのPNFテクニック~コンビネーションオブアイソトニックス~

コンビネーションオブアイソトニックスとはPNFのテクニックのなかでも使用頻度が高くPNFパターンを使用するときだ

けでなく単関節運動時,日常生活の活動に対する機能訓練時など幅広く使用することができます.また

PNFパターンを知らなくても利用可能なためぜひ参考にしてみてください.

コンビネーションオブアイソトニックスとは

コンビネーションオブアイソトニックスとは,共同筋群に対して等尺性,求心性,遠心性収縮を途切れることなく実施し

ていくテクニックになります収縮様式を変化させることで筋の協調性の向上を図ります.生活上,遠

心性収縮の活動は多くありますが,クライアントによっては求心性収縮は可能だが遠心的な活動に対し

ては苦手な方も多くいると思います.そんな時遠心性収縮のみの練習よりも等尺性,求心性と収縮可能

な様式を入れていくコンビネーションオブアイソトニックスの方が般化しやすくまた動作理解も得やすいです.生活する

上で等尺性,求心性,遠心性収縮のどの収縮様式も利用され必要不可欠です.そのためコンビネーションオブアイ

ソトニックスのトレーニングは日常生活に即したトレーニングといえます.また遠心性収縮とは筋パワーが一

番発揮されると言われています.そのため遠心性収縮も利用するコンビネーションオブアイソトニックスは協調性だけで

なく,筋出力向上にも利用します

コンビネーションオブアイソトニックスの方法

コンビネーションオブアイソトニックスとは等尺性,求心性,遠心性収縮を途切れることなく実施します.切り替えのタ

イミング等バリエーションは様々ですが今回はオーソドックスな方法をご紹介します.単関節運動の肘

関節屈曲運動で解説していきます.

①開始肢位から抵抗を加え等尺性収縮を促していきます.「止めててください.」

②抵抗を緩めずに筋収縮させ,目的とする運動の最終域まで求心性収縮を促していきます.「ゆっくり

肘を曲げてください.」

③最終域まで到達したらこれも筋収縮を緩めず再度等尺性収縮を促します.「止めてください.」

④筋収縮を緩めずに今度は遠心性収縮を促し開始肢位まで戻ります.「力を緩めずにゆっくり伸ばして

きてください.」

⑤開始肢位まで到達したら再度等尺性収縮を加え,求心性,等尺性,遠心性運動へと筋収縮を緩めるこ

となく続けていきます.

●ポイントとしては,クライアントの筋収縮を緩めないことです.またセラピストは運動の切り替え時

に把持している手を動かさず抵抗も緩めません.

●本来は等尺性,求心性どちらから開始しても構いません.等尺性収縮から開始した方がクライアント

に理解してもらいやすい印象があります.

●最初は運動の切り替え(屈曲⇔伸展)時は等尺性収縮を入れたほうが分かりやすいです.しかし徐々に

慣れてきたら等尺性収縮を入れずに求心性から遠心性収縮へ切り替えても構いません.

●最初は運動開始肢位から最終肢位まで全可動域実施したほうが動作を理解しやすいです.しかし徐々

に最終域の途中で等尺性収縮を挟んだり,最終域までいかずに遠心性収縮に切り替えたりとリズムを変

化させるとよいです.パターン化された動きだと応用が効かなくなるため不意なタイミングでも収縮様

式を切り替えられることが協調性の向上を図れます.

まとめ

今回はわかりやすく,単関節運動に対してのコンビネーションオブアイソトニックスをご紹介しました.しかし実際は

PNFのパターンを利用しながらや基本動作のなかでコンビネーションオブアイソトニックスを利用する,あるいはある筋

に等尺性収縮を加えスタビリティを高めながら,もう一方でコンビネーションオブアイソトニックスを利用するなど応用

的に可能です.一つの考え方としてご参考にしてみてください.

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