この患者は疲れやすくて体力ないなーと思ったこと
ありませんか?ちゃんと原因究明はしていますか?
疲れやすいのも理由がいくつかあるのでフィジカルアセスメント
とともにご紹介します.
生理的因子
まず第一に生理的な要因で疲れていないか確認が必要です.
具体的には,
1. 食べているか?
2.寝ているか?
3.動きすぎていないか?
栄養状態,睡眠状態,運動状態により疲れやすさは変化するため確認が必要です.
器質的因子
生理的因子で該当しなかった場合,次に考えられるのは器質的因子です.
器質的因子とは特定の疾患・病態が原因で起こる疲れやすさです.
具体的には,
1心疾患
2肺疾患
3貧血
4感染症・発熱
5低栄養
6脱水
が考えられます.ひとつひとつ説明していくと
1.心疾患
心疾患により心臓から十分な血液を送り出せなくなり,体に必要な栄養,酸素が
足らなくなるため疲れやすくなります.
フィジカルアセスメント
四肢の浮腫をチェック
(多くの血液を心臓に返すと心臓に負担をかかります.心臓の負担をかけない
ように四肢に水分を貯めるため浮腫になります.)
体重チェック
(浮腫による体重増加していなか確認)
2.肺疾患
肺疾患により酸素が取り込みにくく,体に必要な酸素が足らなくなるため疲れ
やすくなります.
フィジカルアセスメント
会話中に息切れしないかチェック.
呼吸補助筋(胸鎖乳突筋など)の過剰使用がないかチェック.
3.貧血
血液量が少ないと体に栄養,酸素が足らなくなるため疲れやすくなります.
フィジカルアセスメント
眼瞼結膜蒼白
(あっかんべーのように下まぶたを下げて毛細血管が薄くピンク色になって
いないか確認)
4.感染症・発熱
感染していると発熱を伴うことが多いため疲れやすくなります.
フィジカルアセスメント
発熱チェック
5.低栄養
体に必要な栄養が不足すると疲れやすくなります.
フィジカルアセスメント
るいそうチェック
6.脱水
脱水すると体内の血液量が減少,循環が悪くなり体内へ栄養,酸素が足らなくなり
疲れやすくなります.
フィジカルアセスメント
皮膚つまみテスト
(皮膚をつまんで10秒以上戻らないと陽性)
舌の乾燥
また詳しくは「脱水を見逃さないためのフィジカルアセスメント」をご参照ください.
精神的因子
最後に考えるのが精神的な因子です.疲れを主訴とした患者の50パーセント
は精神的なものと報告されているものもあります.しかし精神的な因子をまず
考えていると生理的,器質的因子を見落とすことがあるため最後に考えていく
必要があります.
参考文献
日本離床研究会が出している本で,写真も多く見た目も読みやすく難しい言葉も
ほとんどない本となっています.
離床したいけど,怖いからできない.患者がどういう状態かわからない.学生の頃は
習ったことがなかったフィジカルアセスメントをわかりやすく解説しています.
系統別,症状別に分かれているので患者さんにすぐに適応できます.
興味のある方は購入してみてはいかがですか.
日本離床研究会は勉強会も各地で開催していますので合わせて参加されるとより
深く学べると思います.
ほかにも,整形外科疾患に対する「おすすめの本」をご紹介しているので,是非読んでみてください.