画像所見からセラピストが骨盤,股関節機能を評価する方法

Dr.は画像所見から骨折の有無,手術部位の状態を評価します.私たちセラピストも同様に確認します

が,セラピストが確認しないといけない画像所見は他にもあります.私たちセラピストは身体機能向

上,基本動作向上のスペシャリストであるため身体機能を評価する必要があります.今回は画像所見か

らセラピストに必要な骨盤,股関節の評価をご紹介します.

画像所見から身体機能評価を行う

今回は画像所見から脚長差,骨盤,股関節の回旋状態,骨盤の前後傾を診ていきます.

画像所見から脚長差を診る

脚長差が2㎝以上あると代償動作が出現しやすいと言われています.肢長計測と併せて診ることが大切

です.脚長差を診るときは左右の大転子,小転子,坐骨結節の高さを比較することで確認できます.

上記画像から,大転子,小転子,坐骨結節ともに若干左側のほうが上に位置しているため右下肢より左

下肢が短く機能的脚長差がみられている可能性があります.

画像所見から骨盤,股関節の回旋を診る

画像所見から股関節の回旋状態を確認する方法は小転子で把握します.小転子が多くみえる場合は股関

節外旋位,小転子のみえる量が少ない場合は股関節内旋位と判断します.


上記の画像では,左右で比較すると右大腿骨の小転子は多く映っているため外旋位.左の小転子は大腿

骨で映りにくいため内旋位の可能性があるといえます.

 また,腸骨の幅を見ることで骨盤の回旋を確認できます.腸骨の幅を左右で比較して,腸骨の幅が大

きい側へ回旋しています.

上記の画像所見では,右側の腸骨の幅が小さく,左側の腸骨の幅が大きいため,骨盤は左回旋している

可能性があります.

画像所見から骨盤の前後傾を診る

骨盤腔から前後傾を把握します.骨盤腔の前後幅が大きく真ん丸の場合は骨盤前傾位.骨盤腔の前後幅

が狭く楕円形の場合は骨盤後傾位と判断します.

上記の画像所見では骨盤腔の前後幅が大きく真ん丸の形をしているため骨盤前傾している可能性があり

ます.

上記の画像所見では骨盤前後幅が狭く楕円形の形をしているため骨盤後傾している可能性があります.

まとめ

今回画像所見から,脚長差,股関節の回旋,骨盤の回旋,骨盤前後傾を診ていきました.しかしあくま

で画像を撮った時の姿勢を反映しているため,一概にその情報一つで判断するものでもありません.一

つの情報として他の身体所見と照らし合わせることで整合性を高める必要があると思います.ぜひ試し

てみてください.

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