「自分のストレスを把握していますか?」
ダイエットするとき自分の現在の体重を把握して,そこから何キロ減らそうか考えると思います.貯金に関しても,自分の現在の貯金額をみて,そこから月々どのくらい貯めるか考えると思います.
ストレスも同じことがいえます.現在のストレスがどのくらいで,どういった症状かを把握していないと対処することができません.しかし我々はストレスを常日頃から感じていることが多いため,それに慣れてしまっておりストレスを直視しようとは誰も思いません.
まず私たちは今現在のストレスを把握する必要があるのです.
ストレスを把握しよう!!
ではストレスを把握するのはどうしたらいいでしょうか.
まずはストレスを感じた場合数値化してみましょう.1~10の間で10を最もストレスが高いとしたときに今現在いくつになるか考えてみましょう.この主観的がばかにできずに大掛かりなストレステストと相関を示しており簡易的に状況を掴むためにはちょうど良いです.
次にボディスキャンをしてみましょう.静かな場所で仰向けとなり各関節の状態を自身で診ていきます.頭,首,上腕,前腕,手,手指,腹部,背部,大腿,下腿,足,足趾と筋のハリ具合,痛みなど日々の状態との違いを把握していきます.身体と対話をするイメージが大切かと思います.
このように数値化,身体状態を把握することがまず第一であり,そのストレス状態に対してストレス解消の方法をいくつか実践した場合の変化をみていくことでストレスの変動を評価することができ,且つコントロールすることに結びついていきます.
ではそもそもストレスが起こる原因はなんでしょうか.
その根本原因の一つは,「思考のアンバランス」が挙げられます.
思考のアンバランス
私たち人は思い込みが激しい生き物です.「ミスをしたのは自分のせいだ」.「お前はバカだからこんなことになったんだ」,「親の教育が悪いんだ」など.そこには失敗したという事実しかないにも関わらず,自己,他者,環境を理由付けして思い込もうとしてしまいます.
それらの思考は客観的な事実に基づいていなく明確な裏付けもないため現実と思考に差異が生じ,大きなストレスが発生します.つまり私たちは思い込みをせず,ありのままの事実を受け入れる必要があります.
しかし私たちは「自動思考」が働くため制御することを難しくしてしまいます.この「自動思考」というのは意識せず無意識で思考してしまうことであり,ストレスが起こった場合色々考えないようにしようと努力しますが,勝手にぐるぐると考えてしまいます.失敗したときに「あの時あれをしていたらあんなことにはならなかった.」「もっと勉強していればこんな結果にはならなかったのに.」など失敗した事実以外のことまで無意識に思い込み考え込んでしまうのです.
つまり私たちは無意識のうちに自動的に思い込みをしてしまう生き物なのです.
では「自動思考」の思い込みを私たちはどう対処したらよいのでしょうか.
マルチタスクを解除し思い込みを意識しよう
「自動思考」を制御するためには意識化することが大切です.
ストレスが多い人はいつもマルチタスクの作業のなかにあるといわれており,常に様々なことを無意識に考えています.仕事を終えて帰宅して家で家事をしているときも,頭では考えていなくても頭の片隅には常に残してきた仕事のことを考えているのです.仕事のことだけでなく,育児,家事,勉強,人間関係などストレスが多い人は常に意識せずに複数のこと考えてしまっています.
つまりこのマルチタスク下にある状態を解除し,複数の思い込みを是正する必要があるのです.
その方法は思考を表出することです.具体的にはストレスが感じた場合文字として書くだけです.
本当に書くだけでストレスが減るのか疑うかもしれませんが,これが馬鹿にできず書くことで脳の中にあった思考を外に取り出すことできます.これは文字としておこすことで意識化することができ,且つマルチタスクが減少することに繋がり,複数頭の中で考えこんでしまうことがなくなり,結果ストレスが減るのです.
やり方は至ってシンプルでストレスを感じたら時間を置かずにすぐ紙におこすだけです.時間をおいてしまうとその分だけマルチタスクが発動され思考を巡らせてしまうため,すぐに取り掛かることがポイントの一つです.
書き進めていくと,次第にストレスに対して俯瞰でみることができ思い込みが是正され,事実のみを受け入れるようになるはずです.
一般論で客観化しよう
別の方法としては,一般論として書き換えて紙に記す方法があります.嫌な体験などでストレスが溜まってくると「自分だけなんでこんな目に合うんだ.」と自分一人だけ不幸であると思い込んでしまいます.人は良い時もあれば悪い時もあるのですが,嫌な体験が続いてくると視野も心も狭くなってきてしまいます.
そこで嫌な体験をした際紙におこすのですが,「人は誰でも」や「世の中の人みんな」など付け加えて記入していくと客観的かつ,当たり前の出来事と思うことができます.
例えば,「仕事で失敗した.」なら「人は誰でも失敗する.」と変換して記入したり,「上手く人前で話せなかった」なら「世の中の人みんな人前で上手く話せる人はいない」など一般論に置き換えることで遠くから見つめ直すことができ嫌な体験もストレスとならずにすみます.
まとめ
私たちは,嫌な体験に対して文字におこし思考を表出することで,マルチタスクを減らしストレス軽減に繋がります.ネガティブな感情はどうしても否定し忘却しようと試みる方も多いのではないでしょうか.しかしそれは返ってネガティブの感情を高めストレスが増大してしまいます.そのため嫌な体験に対してその体験した事実のみを受け入れる,受容する心が必要なのではないでしょうか.是非参考にしてみてください.