この患者は筋トレのときあまり力を入れてくれないなーとか,
ストレッチしているのに余計な力入れてるなーと思った人はいませんか.
はたして本当に患者に原因があるのでしょうか.セラピスト側に問題があること
も多々あります.
声量の違いにより反応は変わる
今まわりに人がいたら大きな声で叫んでみてください.
相手はどんな反応をするでしょうか.多くの人は驚いて肩の力が入ると思います.
そうです.声が大きいと人は力が入ります.私たちは声量の違いで相手の反応を変
えることができます.
逆に優しく囁くように話すと人はリラックスして力を抜きます.音楽でも同様のことが
いえます.へビメタルのような激しい音楽では力が入り,ジャズやクラシックのような
ゆったりとした音楽ではリラックスします.
人は触れられていなくても声量により緊張具合を変化します.
臨床応用
私たちセラピストは声掛けでも患者に緊張を与えていしまうことを常に念頭にいれながら治療する
必要があります.例えば,筋力トレーニングの際に力を入れてほしいときに優しくゆったりとした
声掛けと,大きく力強く声掛けするのとどっちが患者は力が入るでしょうか.多くの人は後者では
ないでしょうか.またストレッチのように力を抜いてほしい場合を考えてみましょう.そうです.
力強い声掛けでは,力が抜けません.ゆったりと優しい声掛けが必要です.
よくマッサージ店でゆったりとした音楽を流しているのもそうした理由が考えられます.
声が大きいからダメとか,声が小さいからダメというわけではありません.
場合によって使い分ける必要があります.
- 筋力トレーニングのように力を入れてほしい場合は大きな声で力強く声掛けをする.
- ストレッチのように力を抜いてほしい場合は優しくゆっくりとした声掛けをする.
患者が余計な力が入って治療効果が得られないケースを他の記事でも紹介していますので
ご参照ください.
まとめ
患者が力が入らないとか,逆に力を抜いてくれないと思うことは多々あると思います.
しかしセラピスト側の声量の違いで反応が変わることがあります.触り方や治療手段を
考えるセラピストは多くいますが,自分の声量はどうか確認しながら治療する人は
少なく感じます.
また, 小さい声量のほうが力が入る場合もあります.大きな声掛けが嫌いな人は
もちろんいます.必要なのは声量の違いによる患者の反応がみれるかどうか. 声量で
反応が変わることを念頭において治療するかどうかだと思います.
治療に対して患者が出来ないこと,してくれないことの多くの原因はセラピストにあると感じます.
試行錯誤することで見えてくることもあります.一度試してみてください.