内臓脂肪による3つの危険性

 内臓脂肪は悪とされがちですが,臓器を正しい位置に保ったり,外界からの衝撃を和らげることで臓器を保護するなど必要不可欠であり全くないと困ります.

 しかし逆に過剰に増えてしまうことでカラダに不調が生じてきます.現代社会は食べ物に溢れてあり食べ過ぎてしまい内臓脂肪過多が問題となっています.今回は内臓脂肪についてご紹介します.

 内臓脂肪による糖尿病のリスク

 内臓脂肪が増えた場合インスリンの働きが低下します.

このインスリンとは膵臓から分泌され,血中にある糖を全身の細胞に取り込むことで,血中の糖の量を下げる働きがあります.このインスリンの分泌が内臓脂肪が蓄積した場合機能が低下し糖尿病へと進行していきます.

 原因の一つは脂肪細胞にあるアディポサイトカインの一種である悪玉の「TNF-α」や「レジスチン」が挙げら,これらの物質は内臓脂肪蓄積により増加しインスリンの働きを阻害てしまいます.

 逆に善玉とよばれる「アディポネクチン」はインスリンの働きを良くするとされるのですが,内臓脂肪が増えると分泌が低下してしまいます.

 つまり,内臓脂肪の蓄積はインスリンの働きを悪くする「TNF-α」「レジスチン」が増え,インスリンの働きを良くする「アディポネクチン」が減ることでインスリンの機能が低下してしまうのです.

インスリンの働きが低下した場合,食後の血糖が急激に上昇するのでカラダは「もっとインスリンを分泌しないと!」と思い過剰分泌となり,逆に低血糖に陥ってしまいます.このようにコントロールを失いジェットコースターのように血糖値が乱高下してしまうのです.

 またインスリンは脂肪細胞に脂肪を溜めこむ作用があります.インスリンを過剰分泌した場合内臓脂肪がますます増えていきます.

 内臓脂肪がインスリンの機能を低下させインスリンを過剰分泌へと導き,過剰分泌したインスリンが内臓脂肪をどんどん増やしてしまうという,負の相互作用があるのが厄介なところですね.

内臓脂肪による高血圧のリスク

過剰なインスリンは他にも交感神経を刺激します.交感神経は血管を収縮させる作用があるため,慢性的に血管が収縮していると高血圧となってしまいます.

 他にも内臓脂肪の蓄積は脂肪細胞から分泌されるアンジオテンシノーゲンが血管を収縮させ血圧が上昇します.また先ほど述べたアディポネクチンですが動脈硬化を予防する働きもあるため内臓脂肪過多となり,アディポネクチンの分泌が低下することも原因の一つとなります.

 さらにアディポサイトカインのひとつの「PAI-1」も内臓脂肪蓄積により増え,血液の塊である血栓ができやすくなるため動脈硬化のリスクがあります.

内臓脂肪はさらなる内臓脂肪へとなるリスク

 「レプチン」というホルモンをご存じでしょうか.

「レプチン」とは食欲を抑制するホルモンであり,普通は脂肪が増えるにしたがって「レプチン」の放出量が増え体重を適正に保ちます.

 しかし内臓脂肪が増えすぎてしまうとこの「レプチン」に対する脳の感受性が低下してしまい食欲を抑えられなくなってしまいます.

 つまり内臓脂肪が多い方は食欲が落ちることなくどんどん食べてしまいさらなる内臓脂肪過多へと進行していくのです.内臓脂肪を落とすことが食欲を抑える鍵となるのです.

まとめ

 内臓脂肪は落としやすいです!!脂肪が落ちていく過程は内臓脂肪がまず先に落ち,その後皮下脂肪と内臓脂肪が同時進行で落ちていきます.内臓脂肪は上記以外に慢性的な炎症がみられていることがわかっています.カラダのあちこちで家事が起こっており疲れやすく,やる気もおきなくなります.まずはウォーキングをしてみましょう.ウォーキングの効果は科学的に証明されており,内臓脂肪の減少だけでなく,ストレスの緩和,痛みの軽減と多岐にわたります.是非試してみてください.

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