良いところに目を向けよう.ポジティブアプローチとは

 人は悪いところばかり考えがちではないでしょうか.

今日はあんな嫌なことがあった.今日もだめだったなー.

治療のときも悪いところばかり目がいっていないでしょうか.

悪いところばかりに目を向けない

人は生活していく中で悪いところばかりに目が行きがちです.

夫婦で生活していると,旦那は服は脱ぎっぱなし,洗い物はしない,仕事の帰りは遅い...

後輩の言葉使いがなっていない.接遇ができていない.10言ったことが3しかできていない.

自分に対してももう少し鼻が高ければなー.内面が内気などなど.

人は悪いところはよく目につきますが,良いところは見えにくいものです

悪いところだけでなく良いところも見えないとその人を本当に理解していると言える

でしょうか?

服は脱ぎっぱなしだけれども,朝ごみ出しをしてくれる.遅くまでお金を稼ぐために

働いてくれている.

言葉使いはダメでも挨拶は必ずしている.10言ったら3は出来るようになる.

鼻はいまいちだけど目はきりっとしている.内面がおしとやかなどなど.

良いところに目を向けてみると自分自身やその人の見え方が変わってくるので

はないでしょうか.

ポジティブアプローチの考え方

PNFの哲学にポジティブアプローチという概念があります.

悪いところばかり見るのではなく良いところに目を向けそこから治療していく

という考え方です

例えば, 片麻痺の患者で麻痺側を上手く動かせない場合は,健側に目を向けて健側を

利用して麻痺側を治療していく.また痛みが強い患者で疼痛部位を動かせないときは,

痛みがないところを利用して痛みがあるところを治療していくというものです.

 このポジティブアプローチの利点としては,ポジティブなところから間接的に治療

していくため,恐怖心が少なく,疼痛を伴うことが少ない.また成功体験を得やすいと

ろにあります.治療の初期段階で利用しやすい考え方です.

ポジティブアプローチの実際

 一度立っていただいて,右側に上肢リーチしてみてください.

右下肢に体重移動して右下肢が踏ん張っているのが分かると思います.

またリーチした上肢を上からどなたかに抵抗してもらってそれに耐えるように

してみてください.さらに右下肢が踏ん張るのが分かると思います.これは

上肢機能を利用して下肢に波及させています.例えば下肢の手術後,立つとき

足が踏ん張れない人がいるとします.上肢機能は問題ない人はポジティブアプローチ

として先ほどの運動を利用することで手術した下肢に力を入れさせ踏ん張らせる治療

となります.こうした良いところを利用して悪いところを治療していく考え方が

ポジティブアプローチです.直接下肢から治療すると手術部位なため痛みや恐怖心が

伴います.しかしポジティブアプローチだと間接的な治療のためそれらが軽減されます.

 他にもポジティブな上肢を利用して体幹に働きかける.下肢を利用して対側下肢に

治療するなど様々ありますが,考え方は良いところを利用するというものです.

 他にもPNF手技をご紹介しています.合わせて読んでみてください.

まとめ

 人は悪いところに目が行きがちです.治療においても同様です.

良いところに目を向けることで治療の考え方,患者の見え方が変わってきます.

ポジティブアプローチとは良いところを利用して悪いところを治療していく考え方です.

ポジティブなところを利用する利点として

  • 恐怖心が少ない
  • 痛みが少ない
  • 成功体験を得やすい

があげられます.

 治療や人生において良いところに目を向けることが大切ではないでしょうか.

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